「ひとくちに『おにぎり』って言っても、いろいろあるよね。
料理人さんが作るもの、お家でラップで握るもの、それからコンビニでも買える。
それってみんな同じかな?」
お料理部@埼玉、初回!

地域クラブ実証事業として、埼玉県立伊奈学園中学校様でお料理部の講師を夫婦でさせていただきました。
全4回、初回のテーマはおにぎりとお味噌汁。
私たちは戦国武将もびっくりなくらい、食の選択肢がとっても多い時代を生きてるの。
プロの技と、家庭料理、便利な食品。
それらは似て非なるものだったりして。
どれが偉いとかではなく、それぞれの価値を知った上で食を選び、気持ちよくその価値にお金を払えたら。
上手にいいとこどりしていこう!
ということで、初回は目黒の割烹料理店で料理長をされている杉本さんにも来ていただきました。

歓声!お出汁
まずはたっぷり杉本料理長からお出汁の取り方をレクチャー。
「みんなはどんなお出汁を使ってる?」
の質問に、揃って
「粉のやつ!!」
の答え。
商品名(というかメーカー名)まで飛び出して。。
もしかしたらお塩を入れて味見しないと、おいしさが伝わらないのでは?なんて講師間で話し合ったお出汁…
だけど、

丁寧にとったお出汁の味に子供達からは
「おいしい!!」
の大歓声。
その笑顔と素直な反応に本当に嬉しい気持ちに。
一番だしと二番だしの飲み比べも大盛り上がり。
一番だしという言葉をはじめて聞いたという子供達。
「全然違う!!」「料理ごとに出汁を使い分けるんだ〜」とそれぞれの言葉で感想を教えてくれました。

包丁の持ち方から、具を入れるタイミング、お味噌の解き方…
それぞれ理由や気を付けるポイントがあり、飲む人を思いながら、今日の素材の状況を確認しながら作っていく料理。
中でも、子供達が(そして私も)びっくりしたのが、味見の多さ。
昆布をじっくり煮出したものを味見。
鰹節を入れて味見。
「昆布は弱火で15分」「鰹が沈んだら濾す」など目安はあるけれど、それはあくまでも目安。
だって、素材の状況も、その日の温度も、食べる人の気持ちも違うから。

料理って、レシピ通りに作るいわば単純作業だと思ってた。
こんなに五感を働かせ、食べる人や素材のことを考える作業なんだ…
そんなことが伝わったのではと思います。
お味噌をといたら…
「もしかして、ここでまた味見⁈」
そんな言葉が子供達から飛び出すほど、今日、この素材と向き合う大切さを教えてもらいました。

溶くだけお味噌汁の裏側
さてさて。
そんなプロが作るお味噌汁とはまた違う世界。
お湯で溶くだけで飲めるお味噌汁ってどうなっているんでしょう?
私からは出汁の裏側を実験を交えてお話させていただきました。
「鰹エキス。これはね、料理人さんが丁寧にとったお出汁をグツグツ煮詰めたもの…だったらいいんだけど、そうではないの〜!!」
「えーーー!!」
…とってもいい反応。笑

数種類の粉を合わせてできる顆粒だし、お吸い物、そしてその延長に溶くだけのお味噌汁もあって。
そうか。
これは別物なんだ。
もちろん、悪者ではないよ。
だけど、体のこと、味覚のこと、そして日本の食文化の未来を考えると、自分で作った方がいいこといっぱい。
お休みの日だけでもいい。
お家で美味しいお出汁、とれたらいいよね。
大きく頷いてくれました。

おにぎりって楽しい!
お米の研ぎ方・おにぎりの握り方は日本料理人、健ちゃんからレクチャー。

手に塩をつけて握る本来のやり方と、ラップで作るやり方を伝えました。
わいわいと楽しいモードに突入。
みんなで作るって楽しいよね!!
出し殻はふりかけにしておにぎりにIN!
「美味しいし無駄なしはすご!」
「自分で作ればおにぎり1個40円はびっくり!!」
ほんとほんと。
おにぎりとお味噌汁って、なんて完璧な食べ物なんだろうね。

飽食の時代、賢く楽しく生きていく
食の振り幅が大きく、ある意味「飽食」と言われる現代。
いろいろな食べ物がある。
便利なものも悪くない。
でも、自分で作ればいいこといっぱい。
プロの技をいいとこどりして、楽しく美味しいご飯作っていこうね。

実は当日の朝まで緊張でキリキリしていたこの初回。
立ち会ってくださった教頭先生・教育委員の方にも、
面白かった、子供達にとって有意義な時間だったと言っていただけ一安心。
次回以降も、学びの多い楽しい時間にしていけるよう頑張ります!
知って選べば、どれも正解!
今日も楽しい食選びを!