クチナシってご存知ですか?
栗きんとんやたくあんを黄色くしてくれる、着色料として使われてきた植物の実。
ひょんなことから、「国産の無農薬のクチナシを作りたい!」という謎のゾーンに入った旦那さん(料理人)。
市販のクチナシはほぼ海外産で、国産のものがないのだそう。
(だからといってあなたが…⁈)
つくづく面白い人と結婚したものです。
というわけで。
旦那さんの実家には元々クチナシが植っていて、今でも現役なのに、更に5株を植えることに。
着色料に思うこと
さて。
着色料としてのクチナシは歴史が長いけれど、現在使われているクチナシ色素(黄色以外にも青や緑とかなり種類豊富)は、実を潰して煮出して…という昔ながらの台所での作り方とはまた別の作り方をしていたりもする。
体への影響や、添加物としての見方などはまた別の機会に書きたいけれど、
着色料全般に対する個人的な見解としては「日々の食卓には必要ないな」と。
でも加工食品には、かなりの割合で着色料、入ってますね〜。
「喜ばせたい」着色料
そもそも。
どんな食材も固有の色を元々持っていて。
それになんでわざわざ更に色をつけるかっていうと、「人を喜ばせたい」って想いが発端だったと思う。
季節の花を模してほのかな色を載せる和菓子だって、おせちの中の栗きんとんだって、誰かの喜ぶ顔が見たくて特別な日に向けて作られたもの。
だけど、作る人と食べる人が遠くなった現代には、売る為の戦略としての表面的な「喜ばせたい」が多いように思う。
本当はいちごが入っていないのに、赤色に染めていちごの香料を入れて「まるでいちご!」なゼリー。
確かに安い金額でいちご味が楽しめたら「嬉しい」けれど、本当にいちごが入っていると信じて食べてみた身としてはちょっとがっかりする。
スポンジケーキも黄色が濃い方が卵たっぷりでなんともおいしそうで嬉しい!けれどそれも黄色の着色料を入れただけ。
あれあれ…。
裏側を知った瞬間に一転、ちょっと寂しい気持ちになる。
足りないものを「補う」為のマスキング的な着色料は、なんだか残念だなって思う。
ハレの日のものであってほしい
そもそも着色料なんてなくたって食品は成り立つ。
でも、やっぱり色彩は私たちの生活に彩りを与えてくれて。
趣向を凝らした和菓子や、ハレの日のご馳走が思わず写真に撮りたくなるような色をしていたり、そういうのって会話や喜びをもたらしてくれるから素敵だなって。
一方で毎日家で食べるものは、特にエンタメである必要はないなって思う。
表面的な美しさではなく(もちろん見た目も大切!)、ごまかしのないまごころのこもったごはんを追求できたら。
霜が降りる頃に
人を喜ばせるお料理を目指してクチナシを植える旦那さん。
「人を笑顔に」の本質を見失わずに、ハレの日のお料理に彩りを添えてもらえたらと思います。
クチナシの収穫は霜が降りる直前とのこと。
楽しみだなあ!
知って選べば、どれも正解!
今日も楽しい食選びを!